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●経理事務改善提案コーナー
(2003/10/31)
このコーナーには、当事務所で毎日お客様の経理事務を処理している現場で、経理事務改善につながるかも知れないと思われることを各担当者の意見として述べてもらいました。ピントのはずれているものもあるかも知れませんが、何か一つでも参考になるものがあったら幸いに思います。
所長 西沢
【経理事務改善提案 No.1〜No.4】
◆No.1 売上は先行き不安?経費削減は実行次第で利益は?
<伊藤>
こんな不景気の時代の売上げの右肩上がりはきびしい時代ですが経費の削減は経営者及び従業員の協力で5%削減すれば、売上が15%減少しても(但し固定費及び変動費により%は変わります)利益は赤字にならなくてもすみますので売上重視から利益が出る経営はいかがですか。下記の算式で試算をしてレッツトライ!!
項 目 |
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現 状 |
経費5%削減 |
売 上 |
@ |
1,000 |
1,000 |
固定費 |
A |
300 |
285 |
変動費 |
B |
700 |
665 |
経費計 |
C |
1,000 |
950 |
経常利益 |
D |
0 |
50 |
損益分岐点 |
E |
1,000 |
850 |
参考 A固定費とは売上げ関係なく支出する費用 |
B変動費とは売上と直接変動支出する費用 |
◆No.2
<原山>
これからは、銀行と上手につき合っていくことが大切です。PCサービスを最大限利用していくこと。振込、資金移動はもちろん、売上等入金の資金管理等もしてくれる。さらに最近の経済、マーケット情報も随時提供してくれて経営の指針となる。銀行によっては借入れの際、利率を優遇してくれるなどの特典も多いので是非、取引銀行のホームページを参照されたい。
経理の実務について能率UPの1つの例です。
納品書と請求書(受領書もついているものがある)が1つのセットになっているのを使用すると、手書きの手間が省ける(パソコンで管理できれば一番いいが)
◆No.3 税務調査で指摘を受けないために
<北村>
いざ税務調査のときに、あれこれ書類をそろえても十分な対応はとれません。税務調査官からの質問に対し書類不十分で「わからない」「知らない」ということは通らない。経理、取引に対する証明責任は会社にあるのです。
社内の管理体制を確立しておく必要があります。そのために、、、
- 総勘定元帳、補助簿、その他各帳簿を月に一度は照合する。
- 金庫内の現金管理。(現金出納帳と合っているか)領収書、請求書の保管。社内外取引における契約書の作成、保管。
- 社内諸規定の作成、保管。
等を日常から実施しておきましょう。
また、下記事項が発生したときは、株主総会、取締役会を開き、その議事に関する議事録を作成しなければなりません。これも重要な証拠になります。
登記事項ではないので作成漏れがよくあるもの |
・株主総会議事録が必要なケース |
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役員報酬、退職金の金額を決定した時、また役員報酬を期中で増減した時。 |
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営業譲渡、譲受等の場合。
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・取締役会議事録が必要なケース |
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会社と取締役間の取引承認の場合、例えば同族会社の役員及び同族関係者に対して不動産等を売買した時。(当該利害関係者である役員を除いて取締役会を開く) |
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社葬を行い社葬費用を負担することになった時。 |
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法人が支払った寄付金で、事業とは直接関係ないが個人が負担すべきものではない時。 |
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子会社等の解散等に伴い損失負担等を行った時。 |
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子会社等に無利息融資をした場合。 |
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株式譲渡承認。 |
議事録を作成したら、出席取締役は議事録に署名又は記名押印しておきます。税務調査で指摘を受けないために、会社及び経理の弱点をなくす努力が大切です。
管理体制を確立し、事務処理の正確性、明確性を高めておきましょう。
◆No.4 経理の基本
<塚田>
経理事務での一番の基本は、資金の管理と債権債務の完全なる把握です。
ここで言う資金管理とは、現金と日常的に使う当座預金、普通預金、小切手の動きに不明瞭な所がないと言うことです。当たり前の事ですが、意外と出来ていない会社等見受けられます。原則的に資金管理者は1人として、日常的な資金決済は資金管理者を必ず通すことです。しかし資金管理者をチェックできるような体制は作っておかなければいけません。資金管理者は決済の都度、各出納帳に記入することを習慣にします。現金残については、実現金と帳簿の金額は必ず毎日合致していることを確認します。
つぎに債権、債務の把握です。債権については営業債権と営業外債権それぞれ勘定別、相手先ごとにそれぞれ帳簿を作成します。請求もれがないよう担当者との確認は必要です。
債務についても営業債務と営業外債務を債権と同様帳簿を作成します。相手方からの請求もれがないかここでも注意が必要です。
上記の会計データが揃えば、後は在庫管理さえしっかり行えば月次の業績は完全に掌握できます。その会計数値は、今後の営業方針、資金計画等の変更の指標となりえます。
変化の激しい経済状況下、タイムリーな意思決定を行うために経理の基本は急務です。
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